2つの洞窟を探検!秋芳洞&千仏鍾乳洞へ

もともと歴史や古典が大好きな人間なもので、自然景観を目的に旅することは余りないのですが、“洞窟”に関しては心惹かれるものがあります。

つらら状に垂れ下がった鍾乳石一つにしても、平均すると100年でわずか1センチ程度しか成長しないとのことで、形成までに掛かった気の遠くなるような長い年月を想い、胸が熱くなりますね。

また洞窟内の神秘的な雰囲気や、何とも言えない異世界感もたまりません。

洞窟に絡む昔話や不思議なエピソードが幾つもあることを鑑みても、古より人々はその存在を畏れ敬い、また探求心を掻き立てられてきたのでしょう。

そういったわけでチャンスに恵まれるたび、国内外を問わず洞窟に踏み入ってきた私ですが、今回の記事では「秋芳洞」「千仏鍾乳洞」にスポットを当て、中の様子をレポートしてみたいと思います。

東洋屈指の大鍾乳洞!山口県美祢市の秋芳洞へ

山口県美祢(みね)市に位置する、総面積4,502ヘクタールの「秋吉台国定公園」

石灰岩の白い岩肌が露出したカルスト台地は、日本最大級の広さを誇ります。

そんな秋吉台のはじまりは、南方の遠く温かい海にあった“サンゴ礁”に遡ることができるそう。

かつては海だった秋吉台において、サンゴ礁が時間の経過とともに石灰岩となり、それが約3億5千年という長い年月を経て、海から山へ堆積しながら移動したのです。

さらに秋吉台国定公園の地下100メートルには、日本屈指・東洋屈指の大鍾乳洞「秋芳洞(あきよしどう)」が形作られます。

そもそも鍾乳洞とは、雨や地下水によって石灰岩が溶けてできた洞窟のこと。

雨水が地下水となり流れ出て石灰岩を徐々に解かし、数十万年を掛けて、現在の鍾乳洞を作り上げていきました。

さて秋芳洞の入口は、秋吉台の南麓に開口しています。

周辺は、ひんやり感じる杉木立。

ただ入口まで伸びる道には幾つかの商店が軒を連ねており、土産物などを買い求めることができます。

周辺には空き缶を入れると「秋芳洞」と記された記念コインが出てくるごみ箱も設置されていたのですが、今でも残っているのかな?

幼少時、このコインに夢中だったという方は少なくないはずでしょう(笑)

入洞料を払い、いよいよ洞窟に足を踏み入れます。

中の温度は四季を通じて17℃で一定し、夏涼しく冬は温か。

特別な準備などしなくても、快適に観光できますね^^

温度に限らず、外とは違う空気感に興奮が高まりますが、訪れる者を何よりも驚かせてくれるのが、秋芳洞の“大きさ”です。

秋芳洞は、とにかくデカイ!

洞口の大きさも高さ24メートル・横巾8メートルとかなりのものですが、洞内の最も広いところは200メートル、天井の高いところが40メートル、最も高いところに至っては80メートルもあるというのですから、空間の大きさに圧倒されてしまいます。

一般観光ルートは約1キロながら(それでも長いですね)、延長は約10キロとも言われており、近年になっても新空間が発見されているのだとか。

まだまだ未知の部分が残された洞窟ということで、何ともロマンのある話です。

なお洞内の景観はバラエティに富んでおり、数々の奇勝を楽しむことができますよ^^

私が特に惹き付けられたのは、小さな皿状の池が何段にも積み重なって棚田のように見える「百枚皿」や、その名のごとく“かぼちゃ”を想わせる形状をした「南瓜岩」。

自然の力と絶え間ない時の流れが作り上げた、極上のアートです。

秋芳洞の壮大さについては、さくらももこさんも絶賛していましたね^^

迫力の景観にシンプルな驚きを抱き、悠久なる大地の鼓動に想いを馳せて感動に浸るー。

秋芳洞は他では味わえない魅力をたたえた、素晴らしい名所だと思います。

それともう一つ、洞窟ではありませんが、美祢市を観光する際に是非とも足を延ばしていただきたいスポットがあります。

透きとおった青い水が、不思議なほどの美しさを見せる湧水「別府弁天池」です。

こちらの湧水は摂氏14度で非常に透明度が高く、昭和60年には環境庁によって「日本名水百選」にも選定されました。

またこの場所は「別府厳島神社」の境内でもあり、その昔、辺りを開墾したものの水不足に悩んでいた長者が夢のお告げに従い弁財天を勧請したところ、水が湧き出したという伝説が残されていますね。

そのため毎年秋にはこの“神与の水”に感謝の気持ちを込めて、念仏踊りが奉納されているとのこと。

神社の建物と境内ならではの荘厳な雰囲気、また日の光を受けて輝く吸い込まれそうなほど青い弁天池の水面が相まって、清々しい心持ちにさせてくれる最高のスポットです。

最近は映える風景を求めて池を訪れる、若い方たちも増えていますね^^

ここで一つ注意したいのは、弁天池の水は地域の方々が飲み水としても使う生活水であるため、手や足を浸ける行為は禁止されているという点。

地域に根差し愛される湧水であると理解した上で、その美しさを愛でましょう。

福岡県北九州市の千仏鍾乳洞が面白い!

続いて紹介するのは、秋芳洞がある山口のお隣の県・福岡県の北九州市小倉南区に位置する「千仏鍾乳洞(せんぶつしょうにゅうどう)」です。

日本三大カルストの一つに数えられ、天然記念物・国定公園・県立自然公園の指定を受ける「平尾台」

その東端に開口する千仏鍾乳洞は、昭和10年に天然記念物(国指定)にも指定された由緒ある鍾乳洞ですね。

洞内は四季を通じて気温16度・水温は14度で、秋芳洞と同じく、夏は極めて涼しく冬は暖か。

入口から480メートルまでは、靴ばきのまま入洞することができます。

しかしその先は“奥の細道”と命名されており、一枚石灰岩の上を滔々として流れる清水に足を洗いながら、更に奥を目指すこととなりますね。

膝のあたりまではガッツリ水に浸かるので、無料で貸し出してもらえるサンダルか、水にぬれても良い靴を履いて進みましょう。

服も、膝上までまくり上げられるものが必須です。

こういった情報を記すとお分かりいただけるかと思いますが、千仏鍾乳洞は観光というよりも、冒険に行くつもりで出かけたいスポット。

巨大な空間の見学路から眼前に広がる光景を眺める秋芳洞とは、全く趣が異なります。

狭い通路に、ごつごつとした岩肌、私が訪れたのは真夏だったにも関わらず、痛いほど冷たい足元に流れる水…。

洞窟内では想像以上に探検家気分を味わうことができましたが、千仏鍾乳洞は一般的に“老人・子どもも容易に探勝することができる場所”とされていて、いつも多くの観光客でにぎわっています。

鍾乳石・石筍・石柱の発達は著しく、洞窟の長さは数千米にも達するとのこと。

しかし照明設備があるのは900メートルまでで、多くの方はここでUターンしていますね。

かくいう私も、これより先には行ったことがありません。

聞くところによると、この先の場所においても滝などが見られるそうですが、全身が水に浸かるような地点もあると言いますから、通常は引き返した方が賢明でしょう。

今回の記事では、タイプが違う2つの洞窟をピックアップしてみました!

ちなみに私は中国・桂林の洞窟などにも足を運んだことがあるのですが、こちらの洞内ではド派手な音と光によるショーが開催されており、度肝を抜かれましたね(笑)

洞窟にはそれぞれの個性があり、ところ変わればその“見せ方”にも違いが出るということでしょう。

いずれにせよ、洞窟が人々の冒険心をくすぐる、抗いがたい魅力を秘めた場所であることは間違いありません。

ルールに従い安全を確保した上で、あなたも洞窟探検隊になってみませんか?