世界遺産!福岡県大島の宗像大社中津宮へ

2017年7月に世界遺産登録された、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群。

福岡県に位置する同遺産群は、沖ノ島、小屋島、御門柱、天狗岩、宗像大社沖津宮遙拝所、宗像大社中津宮、宗像大社辺津宮、新原・奴山古墳群という8つの構成資産から成ります。

このうち本土にある「宗像大社 辺津宮(へつみや)」には何度も足を運んだことがあったのですが、つい先日知人に誘われて、大島に鎮座する「宗像大社 中津宮(なかつみや)」を訪れる機会に恵まれました。

今回はそのときの様子を、旅行記にまとめてみたいと思います。

神湊港フェリーターミナルから大島を目指す

さて全国的にも名高い「宗像大社」は、天照大神(あまてらすおおみかみ)の御子神(みこがみ)である三柱の姫神様を祀っています。

三柱の姫神様とは、沖ノ島「沖津宮(おきつみや)」の田心姫神(たごりひめのかみ)、大島「中津宮」の湍津姫神(たぎつひめのかみ)、田島(本土)「辺津宮」の市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)を指し、この三宮を総称して宗像大社と言うのです。

皇室・国家を守護する神として、宗像大神(むなかたおおみかみ)をお祀りする神社は全国に6000余社もありますが、宗像大社はその総本宮。

現在は交通安全の神様として厚く崇敬されており、車購入時にはまず宗像大社でお祓いをするという方も多く、人々の間に信仰が根付いていることが伺えますね。

特に福岡県内においては、宗像大社の交通安全ステッカーを掲げて走る車を本当によく見掛けます。

ただ福岡に住んでいても、お参りしたことがあるのは三宮の総社である辺津宮だけ…という方が多いのではないでしょうか?

かくいう私も神話好きとして三宮のすべてに興味を抱きながら、一般の入島が禁止されている沖ノ島は別にしても、大島へ渡ったこともなかったのです。

そこで友人から大島行きを提案され、二つ返事で同行したわけですね。

当日、まず目指すのは「神湊港フェリーターミナル」

この場所から、大島行きの船が出ます。

出発の時刻が近付き船に乗ってみると、座席は8割がた埋まっている模様。

一つずつ空いた席を見付け、知人とは離れて座りました。

ほどなくして、いよいよ出航!…したのですが、大きなフェリーの割に、船が揺れる揺れる(笑)

以前、韓国・釜山行きの船が大揺れしたトラウマがよみがえり、かなりパニック状態に陥ってしまいました…。

おそらく余程怖がりの人でない限り、何のことはないレベルの揺れ方なのでしょうが、念のために酔い止めを飲んでおいた方が良かったと、少し後悔しましたね。

気分転換のためにデッキへ移動したものの、こちらも人でいっぱい。

ただ風に当たりながら立っているだけでも随分と気が楽になり、乗船時間がたった25分ということもあって、何とかやり過ごすことができました。

後で島の方から聞いたところによると、この日の揺れは割と大きかったそう。

割と揺れてあの程度であれば、通常時には何も心配いらないだろうと考えるのは、喉元過ぎれば何とやら…でしょうか^^;

宗像大社中津宮へ!

短い(?)船旅を終えて、島に降り立った友人と私。

ここ「大島」は周囲約15km・人口約700人の島で、小高い山林や原野がその大半を占めており、宅地は海辺の南側に集まっています。

四方を海に囲まれているため、無霜地帯という特殊な地勢。

近海は豊富な魚介類を育む筑前海域有数の漁場となっており、漁業が島の基幹産業です。

早速向かうのは、もちろん「宗像大社 中津宮」

フェリーを降りてから、無理なく徒歩でたどり着ける距離でした。

しばらく歩いていると、右手に“中津宮”と記された立派な鳥居が姿を現します。

ずっと訪れたかった場所であるとともに、海を渡って来たという行程を想い、ここが“特別な地”であるとの認識がリアルに強まっていくのを感じますね。

三柱の姫神様の次女に当たる、湍津姫神が祀られている中津宮。

古の時代に、大島の御嶽山(みたけさん)山頂で沖ノ島と共通する古代祭祀が行われ、麓に社殿が造営されたことが、神社の起源と言われています。

参道で結ばれた山頂から、沖ノ島を含む周辺の海域や陸地が一望できるのも魅力。

鳥居をくぐって石段を上がるごとに、後方に広がる海のきらめきと頬を撫でる風を感じながら、清々しい感動に包まれていきました。

石段を登り切り、この地の歴史と古より続く人々の信仰心に寄り添いつつ、中津宮に参拝。

今日ここへ来ることができたこと自体にも、お礼を述べます。

その後は、更に奥にある「天の川」という名の小川へ。

実を言うと、境内に天の川が流れ、左の丘に「織姫(しょくじょ)神社」、右の丘に「牽牛(けんぎゅう)神社」がある大島は、“七夕伝説発祥の地”とされているのです!

そのため、特に縁結びの御利益が有名とのことでした。

さて天の川のほとりを下って行くと、天然の湧水である「天の真名井(あまのまない)」に到着します。

その水を口に含むとほのかに甘く、体の中から清められているような気持ちがしました。

天の川・天の真名井周辺は木々に覆われていることもあり、周辺とはまた少し空気が違うようにも感じられます。

中津宮を訪れる際には、是非こちらにも足を延ばしてみてください。

なお参拝後は島の方と合流し、ジビエ料理などを堪能。

残りの時間は、浜辺をのんびり散策して過ごしました。

近年では、恵まれた自然環境を活かした観光・レジャースポットとしても注目を集めているという大島。

なるほど美しい海は足を踏み入れるといかにも気持ちよさそうで、泳ぎ出したい気分に駆られます。

今回は海水浴の季節ではないので残念ですが、今度は夏に水着持参で訪れたいですね。

海の辺りには、猫の姿もちらほら。

声を掛けてきた白猫ちゃんは、黄色と水色のオッドアイでした。

こうやって海辺の町をあてどなく歩き回るだけでも楽しい時間が過ぎていきますが、周辺にはオシャレなカフェなども店を構えていて、お茶をしながらおしゃべりに花を咲かせていると、あっという間に帰りの船の時間。

最後はあわただしく船に乗り込み、神湊港に戻ったのでした。

フェリーで25分程度と決して遠くはない場所ながら、終始特別な気分を味わうことができた大島の旅。

遠方から旅行する際にも、足を延ばす甲斐のある場所だと感じました。

ただ渡島できない場合は辺津宮の裏に「第二宮(ていにぐう)」があり、中津宮の御霊を勧請しているため、辺津宮で参拝することも可能です。

ちなみに同じ宗像市の玄海エリアには、玄界灘の荒波で揉まれた活きのいい海産物と宗像の自然の恵みで育まれた農産物を豊富に取り揃える、「道の駅むなかた」という見どころもありますね^^

レストランでは宗像産の食材にこだわった漁家料理と農家料理も提供されており、いつも多くの人で賑わう人気のスポットですから、時間があれば、いえ時間がなくても(笑)、立ち寄ってみると良いでしょう。

個人的には、安くて美味しい玄界灘の魚を是非堪能していただきたいです。

…と、今回は海に焦点を当てて情報をお伝えしましたが、山に囲まれた自然豊かな宗像の地には、弘法大師が開いた古刹「鎮国寺」を中心として、野山の魅力を満喫できるスポットも点在しています。

併せて、センスの良いカフェなどが随分増えてきました。

世界遺産はもちろんのこと、様々な“癒し”のひと時を与えてくれる場所として、宗像に足を運んではいかがでしょうか?